最近、私が所属している「基本指圧練習会」で
高齢の患者さんは指圧施術時間を60分以内にするのが
身体には負担が少ないという話が良く出ます
高齢化が進むと指圧を受けるのにも体力が必要で
良かれと思ってコリを追いかけて施術時間が長くなると
却って患者さんが疲労するといった悪影響があるようです
例えば、練習会の参加者から60分かからずに45分くらいで施術終了して
「ちょっと早く終わりすぎたかも?」と思い
(本当は上手く施術出来たのですが、”指圧師あるある”ですね)
追加で15分ほど指圧したところ患者さんから
その後に「ちょっと疲れたな」と言われてしまって
やはり時間をかけ過ぎたという体験談を聞きました
これは実費指圧のケースですが、保険を使った訪問マッサージだと
施術時間は20分くらいと会社でルールが決まっているところもありますね
その場合、週1~2回の訪問でも
1回最低40分くらいは時間をかけると良いのでは?と思いますが…
実費の出張指圧がメインの私の経験と考えでは
比較的若い患者さんは多少時間がかかっても
毎回、丁寧に施術する方がいいと思うので明確な時間で区切らず
1回幾らで出張指圧の施術代金(出張費込み)を頂戴しています
また、中高年の男性の患者さんはあまり長時間の施術だと
(実証とか虚証とかも考慮しますが)
嫌がる方もいますので60分から長くても90分以内で終わるようにしています
私も10年以上出張指圧をしている患者さんがいらっしゃるのですが
すこぶるお元気な方なので通い始めた頃から施術時間は2時間と
かなりみっちり時間をかけていました
現在は90歳に近い年齢なので最近はお身体の負担も考慮して
施術時間を若干短くした方が良いのかどうか迷っておりました
そんな折、ご主人も入院退院されるタイミングで体力低下もあって
養生のために指圧を受けたいとのお話がありました
ご夫婦でほぼ毎日、介護サービスを受けてスケジュールも多忙なので
ご相談の上、奥さんの施術時間を1時間
ご主人を1時間と時間調整させて頂きました
ちなみにご主人は
歩行の際に手すりにつかまるので腕や肩が凝る
そして立ち座りや歩行時に毎回、腰~両下肢に痛み(浮腫も)があるとの事でした
なので、仰臥位で左右の両上下肢(腋下や鼠径部を重点的に)を30分
左右側臥位で肩甲間部~臀部(浪越圧点)に30分で軽めの指圧
奥さんはこれまで2時間の施術で点数回数を多く圧していたのを
(ご本人も物足りないと思い、私も心苦しいのですが)
大幅に省略して主訴の箇所に少し時間をかけて
施術の組み立てを1時間15分くらいで改変しまとめました
こうして約1か月が経過しましたが
今後、奥さんの施術時間の短縮がどのように影響・変化してゆくのか
(また、ご主人の施術スタートも含めて)
まだ分かりませんが様子見の段階です
今回の件で、私はもし新規の高齢者の患者さんがあったら
なるべく施術時間を60分で収めるよう
(これには技術的に指圧の圧の深さもさらに重要になりますね・汗)
にしようと考えを改めました
高齢の患者さんの身体の変化や生活スケジュールの変化に対応するのも
なかなか大変ですが、大変良い勉強になりました