指圧十人十色

指圧師が書くブログです

きくち体操と指圧で共通するのは「感じる」こと

新聞広告で雑誌の「ハルメク」を見て

 

前から気になっていた「きくち体操」に関する本を読んでみました

 

「きくち体操」とは、現在90歳近い菊池和子さんが提唱している体操です

 

菊池さんは元々、体育教師だったそうですが

 

子育てが一段落した頃に同じ団地に住んでいる人たちから

 

体操を教えてほしいと乞われて教室を開くうちに

 

段々と独自の体操を考案されたそうです

 

さて、私が「きくち体操」の関連書を読んでみて

 

一番、共感するのは

 

体操をする際に動かしている細かい筋肉や関節、

 

神経といった「体の感覚」を感じ取ることを

 

とても大事にしている所です

 

例えば、足首廻しは至って簡単でポピュラーな体操ですが

 

これも「きくち体操」では

 

足指の間の根元までしっかりと手指を入れて

 

ゆっくりと足首を廻してゆく

 

しかも、単に手でグルグルと廻すのではなく

 

あくまでも足首が廻る感覚を味わいます

 

その回数もインストラクターの指示ではなく

 

あくまでも自分が必要としている回数を感じて廻してゆきます

 

日頃、動かしていなかった細かい筋肉の動きで

 

痛みやビリビリした感覚があればその刺激も

 

脳に送り込むように集中して

 

インストラクターがどう動いてやっているのかを見るのではなく

 

自分の足首が廻っているのを目でとらえてこれも脳に送り込みます

 

動かす筋肉や関節と脳の間で刺激の情報を

 

交流させるイメージでしょうか?

 

テレビを見ながら漫然と身体を動かすのでは意味が無い

 

誰かと比べて美しいとかより大きな動きを目指すのではなく

 

身体が硬くても自分の最適な範囲で動かしてゆくことが健康に繋がる

 

 

自分が動かしている筋肉を微細に感じ取ってこそ

 

体操なのだというところが素晴らしいです

 

 

実は指圧を受けるのも同じです

 

患者さんの中にはどうしてもお喋りに夢中になって

 

コリやツボを圧されていても

 

あまりその感覚に注意を払わない人もいます

 

(非常にもったいないです!)

 

頭の中が忙しいとせっかく指圧を受けてもらっても効果が薄いのです

 

受けながらついウトウトと眠ってしまうぐらいが自律神経にも良いのですが

 

圧した箇所からどこそこへ響いたとか

 

別の場所も凝っていることに気が付いたと「感じたこと」を

 

私に伝えてくれる患者さんは、治癒も進むように思います

 

 

「きくち体操」では自分の身体を治せるのは

 

自分だけという考えを提唱されていて

 

教室に通う生徒さんたちも

 

病院や薬、マッサージ等、他人任せではなく

 

自分で身体を整えようと意気込んで体操をされているそうです

 

 

一見、指圧は受け身ではありますが

 

自分の身体の反応を感じ取って

 

日常生活で改めるところがあれば少しずつでも変えてゆく

 

これまで痛みがあった個所が別の場所へ変わっても

 

不安に思わず、自然治癒力が独自に働いているのだと自覚すると

 

結果として自分の身体を能動的に指圧を通して治している事になると思います

 

 

「きくち体操」は凄くシンプルなのでぜひ試してみて欲しいです